2022年09月06日
  • SDGs推進企業紹介【連載】

「長野県SDGs推進企業」訪問(第2回/カトー株式会社 )

ここ数年、SDGsに関心を寄せ、取り組もうという企業が増えてきました。
国の取り組み推進もより加速してきています。
「長野県SDGs推進企業登録」は2019年4月26日に長野県により創設され、現在1,608の企業が登録しています。
宮田村商工会会員企業も8社が登録をしています。

第2回目は「カトー株式会社」です。

カトー株式会社「ひと・まち・コミュニケーション」

 

取材には、取締役会長の加藤恭一さんにご対応いただきました。

加藤恭一さん

1 会社の歴史、概要などを教えて下さい

昭和47年、加藤繁三氏が加藤鉄工所を創業。
その後、建設業に参入するなどし、平成4年には社名をカトー株式会社に変更しました。
建築工事業、土地建物取引業、測量業など業務拡大、株式会社宮田開発の設立、まちなか不動産の開店など事業展開をしています。
主な事業内容は、総合建設業、宅地建物取引業となります。

2 「長野県SDGs推進企業」認定はいつですか

2021年1月に認定されました。
弊社では、10年後により良い会社にしようと社内で話し合い、2017年5月に「GC10(GOOD CONPANY 10)」という中期計画を立てましたが、SDGsへの取り組みもいい会社にしようという中から出てきました。
今まで取り組んできたこと、これから取り組む事業をまとめ、申し込みをして認定を受けました。

3 SDGsに向けた経営方針は

弊社は『ひと・まち・コミュニケーション』という標語を基に、『地域超密着企業』を目指しています。
そして「建設事業を通してまちづくりの、不動産事業を通して夢づくりの、太陽光発電事業を通してより良い環境づくりの、すべての事業を通してお客様の幸せづくりを誠心誠意行う」という経営方針は2015年に採択された『持続可能な開発目標』=SDGsの達成と目的を同じくするものなのです。
弊社の本社がある長野県宮田村が策定した2030年までの第6次総合計画にはSDGsが冒頭に謳われていますが、我々はSDGsを軸に、大好きな宮田村とともに社員が一丸となって『住みたい・住んでよかった・住み続けたい宮田村=地方創生の実現』を目指し、SDGsの達成に貢献したいと取り組んでいます。

4 重点的な取組みについてお伺いします

(1) 重点的な取組1

「太陽光を新事業として取り組み、再生可能エネルギー使用の促進を図る」

♪ 2030年に向けた目標は当社事業所消費電力の50%以上を再生可能エネルギーにより賄う ♪

2013年に㈱宮田開発を立ち上げ、太陽光発電事業を行っています。
宮田村に4か所、箕輪町と塩尻市に各1か所の計6か所に設置しています。
HPに発電実績を載せており、2021年4月から昨日(2022年8月18日)までの数字ですが、発電量が972.84MWh、CO2削減効果は418.32tとなっています。
2030年に向けた目標については、本年度に会社倉庫の屋根に太陽光パネルを設置し、消費電力の50%以上を賄いたいと思っています。

太陽光パネル(再生可能エネルギー)

(2) 重点的な取組2

「持続可能なまちづくり=地方創生を目指し、大都市圏からの移住を促進する」

♪ 2030年に向けた目標は移住による不動産事業売り上げ300%以上とする ♪

3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進として中古住宅のリノベーションを事業の柱の一つに据えて取り組んでおり、2018年には「まちなか不動産」を開店させ、物件を移住者等に提供しています。
宮田村は再生できる空き家物件が少ない状況で、目標達成は難しい状況ですが、工夫をして取り組んでいきたいと思っています。
また、宮田村は「住みたい田舎ランキング」で全国の村の中でトップであり、全国からも注目されています。
弊社は、移住者を増やす(ひいては人口減を最小限に抑えるため)ための一翼を不動産事業で担い、持続可能な地域づくりに貢献できればと思っています。

まちなか不動産(外観)
まちなか不動産(店舗内)

(3) 重点的な取組3

「資源の再生可能を促進したエシカル商品を事業に取り入れる」

♪ 2030年に向けた目標はアスファルト施工のうち、再生資材導入割合を30%以上にする ♪

これについては、再生資材として瓦を考え研究したが長野県には向いていないことが分かり、現在別のものでできないか研究中です。
ごみ処理施設の上伊那クリーンセンターの溶融スラグも含めて考えていきたい。

5 重点的な取り組み以外でこれという取り組みがあったら教えて下さい

SDGsの13番目の目標である『気候変動に具体的な対策を』に取り組むため、2021年11月に「エコアクション21認証・登録」をしました。
会社として、環境へ配慮をした取り組みを主体的・積極的に行っています。
これは、社員一人一人が意識を高めることが大切で、個人個人がこまめな消灯、ごみの分別、省エネ運転などを意識して実践しています。

6 ビジネス的なメリットを教えて下さい

弊社のSDGsへの取り組みより後のことですが、長野県の入札参加資格の中にSDGsへの取組みが点数の項目として入っており、そこを狙って推進企業登録をしたわけではないのですが、結果的にプラスになっています。

<取材して印象に残ったこと>

「SDGs」、「エコアクション21」、「GC10」など、いろいろなことに取り組んでいる、積極的な会社だと思いました。
常に目標に向けて、改善を積み重ねて取り組んでいる様子が伺えました。
今回取材に対応いただいた加藤会長さんには丁寧にご対応いただき、いろいろと教えていただき、大変勉強になりました。
感謝を申し上げ、終わりにしたいと思います。

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