長野県宮田村 創業支援

創業・開業あれこれステップ

①開業までの流れ

起業はしていきたいが想いが漠然としている。独立して開業したい。仕事として行っていきたいことが決まっているけれど進め方が分からないといったことありませんか?
創業は、個人はもちろんのこと、時としてご家族を巻き込む大きな転機となります。思い付きや焦って進めると大変なことになる恐れもありますので慎重に進める必要があります。
どう進めていけばいいか考えていきましょう。

最低1年前までに

・自分が何を”業”としてやっていけるかといった動機を考えましょう。
・ご家族の理解を得て、協力してもらえる環境を作りましょう。
・開業に必要な資格や専門知識が必要であれば勉強し、資格を得ましょう。
・開業資金の貯蓄をしましょう。

半年前までに

・開業しようとする場所を考えましょう。
・開業しようとする業種や立地の競合等情報を集めましょう。
・開業しようとする商品やサービスを考えていきましょう。
・創業塾などの創業の勉強会への参加や商工会等の支援機関へ相談してみましょう。

3ヶ月前までに

・開業しようとする商品やサービスを具体化させましょう。
・事業内容を具体的にしながら、創業計画を作成していきましょう。
・開業日までのスケジュールを立てましょう。
・必要なもの(仕入れや経費)を算出し資金の計画を立てましょう。融資が必要であればいくら必要なのか考えましょう。

1ヶ月前までに

・物件を探しましょう。 ・借入(融資)の相談をしていきましょう。
・必要な消耗品、備品、事務用品等の準備をしましょう。
・開業に必要な届出書類の作成や準備をしましょう。
・近隣へのごあいさつをしましょう。
・従業員が必要であれば募集をかけ採用の準備をしていきましょう。

②創業計画書の立て方

創業計画は、自身を知るという意味と、資金調達の際に必要な協力者等を説得するために必要なものです。
創業者には過去の経歴があるならば少しは恰好がつく場合もありますが、前年の決算書などの実績がありませんので、言葉だけではなかなか伝わりませんが、計画を書面にすることで理解を得ることができます。創業者においては必須アイテムとなります。

創業の動機・取扱い商品やサービス等

キーワード 具体的ワード ポイント
なぜ どうしてしたいのか 事業を始める理由・目的・動機
誰が 誰が経営するのか 経営者の略歴・経験・能力
何を 何を売りたいのか 業種・商品(サービス)
いつ いつから開業するのか 開業年月日・開店年月日
誰に ターゲットとするお客様は誰か 市場(販売地域等)・顧客・取引先
どこで どこで仕事しますか 店舗・事業所の場所
どのように どのように販売(サービス)しますか 商売の実施方法
いくら いくらで販売しますか 商品・サービスの販売価格設定

創業計画の具体例(飲食店)

具体的ワード 説明
なぜ:
どうしてしたいのか
これまでの経験を生かし、自分の店を持ちたいと思い、生まれ育ったこの宮田村内で起業したいと思い物件を探していたところ、立地も広さもちょうど良いテナントが見つかり、現勤務先の仕入業者から、多品種の酒を安く仕入できることになり事業の見通しが立ったため
誰が
誰が経営するのか
宮田 一郎(45歳)
 H〇年〇月~ 居酒屋〇○○5年勤務
 H〇年〇月~ MTホテルの料理人として10年勤務
        3年前から店長を歴任
 R〇年〇月  退職予定
 資格:調理師免許(H〇年〇月取得)
何を
何を売りたいのか
昼 日替わりランチ(1種類(ドリンク・デザート付))
夜 一品料理(つまみ料理)、旬な定食、ドリンク
いつ
いつから開業するのか
R〇年〇月〇日からを予定
誰に
ターゲットとするお客様は誰か
宮田駅前は海鮮系、一般食堂等様々な飲食店が立ち並ぶが、駐車スペースも確保できるため、昼は食事を中心に、夜はお酒を中心に楽しむ方が多い。
昼 50代~70代の村内を中心とした女性(近隣市町村を含む)
夜 50代~70代の村内を中心とした男性
どこで
どこで仕事をしますか
宮田村内の駅前の○○跡のテナントを借りてお店を展開していく。
どのように
どのように販売しますか
頼みやすい環境づくりをするため、タブレット端末を使用した注文方法とエアレジを使った決裁方法を導入予定。宣伝については月刊かみいなやSNSを使ってお店のPRを実施する
いくら
いくらで販売しますか
昼 日替わりランチ(1種類(ドリンク・デザート付))1,000円
夜 一品料理(つまみ料理) 500円~800円
旬な定食          1,000円
ドリンク          500円~1200円  客単価4,500円

※従業員が必要であればどういった人が何人必要かも検討しましょう。

必要な資金計画(※上記 飲食店を例えとしたならば)

必要な資金 見積先 金額 調達方法 金額
設備資金 店舗、備品、車両など   900万円 自己資金
※親族から借りる場合も自己資金となります
110万円
 
(内訳)
・店舗内外工事
・厨房機器
・什器、備品類
・車両

○○建設
○○インテリア
○○インテリア
○○自動車

300万円
200万円
100万円
300万円
借入金
 ○○金融機関より
940万円
運転資金 商品仕入、経費支払資金など 150万円    
(内訳)
・仕入
・消耗品等経費

50万円
100万円
     
合計 1,050万円 合計 1,050万円

事業の見通し(見込み収支) ※上記飲食店を例えとしたならば

  創業当初 1年後 売上高、売上原価(仕入れ高)、経費
売上高 A 87万円 104万円 〈創業当初〉
①売上高(日曜定休)
 昼(月~土) 1,000円×12席×2回転×25日=60万円
 夜(月~木) 4,500円×12席×2回転×20日=10.8万円
  (金・土) 4,500円×12席×3回転
×5日=16.2万円
②原価率 35%(過去の経歴経験により)
③人件費 専従者1人(妻)10万円
 家賃 10万円
 支払利息 940万円×年〇.〇%÷12ヶ月=1万円
 その他
  水道光熱費 7万円、広告宣伝費10万円、
車両費 2万円、消耗品3万円
売上原価
(仕入) B
31万円 37万円
経費 人件費 10万円 10万円
家賃 10万円 10万円
支払利息 1万円 1万円
その他 22万円 25万円
経費計 C 43万円 46万円
利益
(A-B-C)
13万円 21万円  

※個人事業主になると事業主の給料はありませんのでご注意ください。

③資金繰り表の作り方

資金繰りは、これから事業を始める上では、事業運営はもちろんのこと金融機関からの借り入れがあれば返済も必要となります。収支予想とは大きく違い実際のお金の動きを把握するのに必要になります。

資金繰り表

(簡単な参考例) (単位:千円)
項目 1月 2月 3月 4月 5月 6月
前月繰越   45 220 445 565 685
現金売上   870 870 700 700 700
仕入   310 310 245 245 245
人件費   100 100 100 100 100
家賃 100 100 100 100 100 100
消耗品 100 30 10 10 10 10
水道光熱費 50 70 70 70 70 70
広告宣伝費 70 30 0 0 0 0
車両費 20 20 20 20 20 20
通信費 15 15 15 15 15 15
設備購入 9,000          
借入金 9,400          
借入金利息   20 20 20 20 20
翌月繰越 45 220 445 565 685 805

※おおよそ創業から1年位の表となります。

④各種行政関係への届出

創業には様々な届出が必要になります。各種届出関係の紹介をします。

税関係

  提出書類 提出期限 提出先
個人事業者 所得税 個人事業の開業・廃業等届出書 1月以内 税務署
所得税の青色申告承認申請書 2月以内 税務署
青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書 2月以内 税務署
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出 1か月以内 税務署
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請 1か月以内 税務署
所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書 申告期限 税務署
消費税 消費税課税事業者選択届 決算期末まで 税務署
消費税簡易課税制度選択届出書 決算期末まで 税務署
長野県 事業開始申告書(個人分) 10日以内 地方事務所税務課
法人事業者 法人税 法人設立届(新設法人に該当する旨の届出を含む) 2か月以内 税務署
青色申告の承認申請書 3か月以内 税務署
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出 1か月以内 税務署
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請 1か月以内 税務署
棚卸資産の評価方法の届出書 確定申告期限 税務署
減価償却資産の償却方法の届出書 確定申告期限 税務署
消費税 消費税課税事業者選択届 決算期末まで 税務署
消費税簡易課税制度選択届出書 決算期末まで 税務署
長野県 事業開始申告書(法人分) 10日以内 地方事務所
創業認定申請書 確定申告期限の30日前まで 地方事務所商工観光(建築)課
創業等事業税課税免除申請書 確定申告期限まで 地方事務所税務課
事業税課税免除計算書 確定申告期限まで 地方事務所税務課
市町村 市民税・法人設立(設置)異動等申告書 10日以内 市町村

国税一覧 https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/teishutsujiki/periodList.htm
 (注)消費税は税額が大きいので、届出には十分な検討が必要です。

社会保険関係(主に従業員を雇用する方)

  提出書類 提出期限 提出先
労働保険 雇用
保険

労災
保険
労働保険事務委託書 10日以内 ※商工会
保険関係成立届 10日以内 ※商工会
雇用保険適用事業所設置届 10日以内 ※商工会
雇用保険被保険者資格取得届 翌月10日まで ※商工会
労働者災害補償保険特別加入申請書
(中小事業主等)
商工会
健康保険

厚生年金
健康保険・厚生年金保険 新規適用届 5日以内 年金事務所
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届 5日以内 年金事務所
健康保険被扶養者(異動)届 5日以内 年金事務所

※商工会では労働保険事務組合といった制度があります。

その他業種により必要な書類

営業の種類 許可等 窓口
食料品製造業 許可 県保健福祉事務所(保健所)
食料品販売業 許可 県保健福祉事務所(保健所)
飲食店・喫茶店 許可 県保健福祉事務所(保健所)
理容業 届け出 県保健福祉事務所(保健所)
美容業 届け出 県保健福祉事務所(保健所)
クリーニング 届け出 県保健福祉事務所(保健所)
旅館業 許可 県保健福祉事務所(保健所)
旅行業(2種、3種、地域限定) 登録 県観光部山岳高原観光課
通訳案内業 登録 県地方事務所商工観光課
建設業(一般) 許可 県建設事務所
電気工事業 登録 県地方事務所商工観光課
給水装置工事業 指定 市町村
薬局 許可 県保健福祉事務所(保健所)
医薬品販売業 許可 県保健福祉事務所(保健所)
公衆浴場業 許可 県保健福祉事務所(保健所)
一般廃棄物処理業 許可 市町村
産業廃棄物処理業 許可 県地方事務所環境課
宅地建物取引業 免許 県地方事務所建築課
酒類製造業、酒類販売業 免許 税務署(酒類指導官)
自動車分解整備業 認証 北陸信越運輸局長野運輸支局
古物営業 許可 警察署
自動車運送業 許可、届出(軽貨物) 北陸信越運輸局長野運輸支局
石油販売業 登録 関東経済産業局資源・燃料課
防火対象物使用開始届 届出 消防署
防火管理者選任届 届出 消防署
⑤創業塾のご案内

上伊那地区内では定期的に創業塾を開講しております。
経営、金融、税務、労務を中心に創業のあれこれを知ることができます。
〈創業塾のご案内〉

⑥こんな共済制度あります

●小規模企業共済
 ・将来的に廃業する際にお金がおりる共済です。
 ・掛金は全額所得控除の対象となります。

●中小企業退職金共済
 ・国が運営する従業員のための退職金共済となります。

●特定退職金共済
 ・商工会が運営する従業員のための退職金共済となります。

●火災共済
 ・万一の火災、災害等が発生した場合の共済となります。

●傷害共済
 ・24時間何等かの原因によりケガをされた場合の共済となります。

●会員福祉共済
 ・商工会が運営するケガや病気入院等された場合の共済となります。

●商工貯蓄共済
 ・商工会が運営する少額で10年満期とした積立型共済となります。

⑦創業後の1年間の流れ

個人事業主の場合

 ※法人については決算期が異なります。※主なもの

税関係 雇用関係
1月 20日:源泉税納付期限(従業員がいる方のみ)
31日:給与支払い報告届出(各市町村へ)
31日:償却資産の変動届出(事業所がある市町村へ)
31日:法定調書の届出(税務署へ)
※随時従業員の変動があった場合届出
2月 16日:所得税・消費税確定申告の受付開始  
3月 15日:所得税確定申告期限
31日:消費税確定申告期限
 
4月    
5月   労働保険年度更新
6月    
7月 10日:源泉税中間納付期限(従業員がいる方のみ) 社会保険の随時及び定時届出(年金事務所へ)
8月    
9月    
10月    
11月    
12月 31日:決算(商品の棚卸)  

※源泉税の納付については納期の特例制度を利用されない方はは毎月必要です。

⑧便利な専門家相談

●上席経営支援員(内部雇用専門家)による無料相談(無制限)
●エキスパート相談 小規模事業者の方対象で年3回まで無料
●よろず支援拠点による無料相談
  長野県よろず支援拠点による無料相談
  https://www.yorozu-nagano.jp/