宮田村で創業・開業した 先輩インタビュー

自動車販売&グランピングサイト運営 ALPEN AUTO 塩邦彦さん

塩さんは、輸入車・国産車・新車・中古車の販売をするALPEN AUTOを2018年12月に創業しました。もともと東京にお住まいで、縁あって宮田へ移住してこのお仕事を始め、さらに宮田高原を地域の内外へ発信しようと高原でグランピングサイトの運営をしています。
 商売を立ち上げた時のご苦労や宮田村への思いについて伺いました。

Q1.そもそも宮田へ移住された経緯を教えてください
 東京で32年間勤めた輸入自動車のディーラーの仕事に人間的に疲れて、キッチンカーでもやろうかと思っていた頃、新宿で行われていた音楽フェスで宮田村のみやさん号が、ワインなど地場産品を販売していました。そこに移住を促す案内もあり、一度見に行ってみようと早速その週末に宮田村を訪れました。
 太田切川のほとりでお弁当を食べながら、雪を戴いた駒ヶ岳を見ていて、「移住しよう!」と決めました。その後どこに移住するか軽井沢などもうろうろしましたが、やはり最初に訪れた宮田に決めました。
Q3.生活のこと、お仕事のことで不安はなかったですか?
 なかったですね。農道沿いのこの店が空いているからと紹介してくれたのをはじめ、とにかく役場の方が良くしてくれました。長く経験した自動車販売の仕事をここで始めて見ようと考えました。
 ただ、移住したばかりでしたから、仕事を始めるうえで知り合いもいないし、資金もありませんでした。その時も役場から宮田村商工会さんを紹介してもらい、創業支援金をいただくことができました。おかげで店の改築ができましたし、商工会さんには他にもアドバイスをいただいたり、商業部会に入ることで村の他のお店の方とつながりができたりして感謝しています。
Q5.ご商売は順調ですか?
 おかげさまです。当社で扱う車の7割が中古車です。お客様は東京時代のつながりで広げてきました。最近では村内のお客様も増えてきました。
 仕事のうえで大切にしているのは、一人ひとりのお客様の趣味嗜好に合う車を探し出すことです。ときには、お客様がどれほど欲しがっている車でもお売りするのをお断りし、その方に本当に相応しいと私が思う車をお勧めすることもあります。「あそこから変な車を買った」と言われたくないからです。幸いこれまでにクレームは1件もありません。
Q7.宮田高原でグランピングサイトもされているのですね
 はい。宮田高原を発信するためです。
 2018年の8月にここ来て、住む場所がなかったものですから、お風呂はこまゆき荘などへ行っていました。そのうちサウナ仲間が出来、彼らに宮田高原について聞いてみると「つまらんところだから行かない方がいい」と口をそろえます。でも暇だったから行ってみたら、10月中ごろでしたが紅葉もシラカバもきれいで、すごくいい場所に思えました。
 ここでなにかしたいと役場の未来推進課の田中さんに相談しました。すると二つ返事で貸してくれるといいます。それも頂上付近のとても見晴らしの良い場所です。そこで2019年4月からグランピングサイトを始めることにしました。このときも営業免許の取得などで、皆さんにお世話になりました。
 2021年8月の寺沢林道の崩落で営業できない時期もありましたが、私たちのグランピングサイトは長野県産を中心とした豪華な食材が人気で、徐々に注目を集めています。
Q10.今後の抱負を教えてください
 近頃は車の販売よりグランピングの方に熱が入っています。宮田高原が本当に素敵な場所だからです。村外の人はもちろん、村内の人にこそそのことを知ってほしい。宮田村はワインも豆腐も素晴らしいけれど、村の人には宮田高原があることをもっと誇りに思ってほしいし、週末にはお弁当を持って家族で出かけるほど身近な場所になってほしい、そんな思いで仕事をしています。利益が出る仕事ではないけれど、何年か後には宮田村の好きなところは「宮田高原」だと村民誰もに言ってもらえるようにがんばります。
 宮田村に来て、私は嫌な思いをしたことは一度もありません。移住当初ここで寝泊まりしていたら、野菜や果物をくださる方がいました。役場や商工会の方だけでなく、皆さん快く受け容れてくれて、ほんとうに良い方しかいらっしゃいません。まるで「大きな家族」の中にいるみたいです。
 これからも仕事を通じて、宮田の土地と人を内外へ発信していけたらと思っています。

株式会社ALPEN AUTO

〒3994301長野県上伊那郡宮田村1624番地9

グランピング宮田高原

インスタグラム:https://www.instagram.com/glampingmiyadakogen/

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飲食・ゲストハウス・農業を営む EAT&JOY(いいあんじょい) 今堀千恵子さん